関西観光教育コンソーシアムが設立された2013年は、訪日外国人数が初めて1000万人を超えた年でした。その後、2018年には3000万人を超え、観光産業は自動車産業に並ぶ基幹産業になったと言われてきました。
ところが2020年に入りコロナ禍のために、人が移動したり、集まることが難しくなり、観光産業ではかつて経験したことのない困難に直面しています。一方で、人々が持つ観光したいという気持ちは変わっていません。政府の支援策の効果もあり、各地の観光地には次第に人が戻りつつあります。
しかし、今回のコロナ禍は、人々の考え方や行動を大きく変えてしまったのも事実です。多くのことがオンラインにとって代わるなど、デジタルトランスフォーメーションDXが一気に進みました。観光産業もその変化を受けて、感染症や自然災害などのリスクに強い、新しい観光の様式への転換が求められてます。
誰もが経験したことがない未来への対応には答えたくありません。その答えは1つではないでしょう。このような答えがない問題や、1つでない問題を解くことを専門にしている組織が大学であり、職員が大学教員です。関西観光教育コンソーシアムに加盟する大学や個人の会員は、それぞれが得意とする手法や理論に駆使して、アフターコロナの時代の観光のあり方を創り出しているところです。
大学における観光学の成果は、地域を豊かにし、世界の平和を貢献するものです。高校生の皆さんは、私たちの大学に入学し共に新しい観光を創っていきましょう。また、産業界の皆さんは、私たちの大学と手を携えながら、共に観光産業にイノベーションを興していきましょう。